WEEKLY PLAYLIST #7

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LUVHAIR Weekly #7 特集:宅録音楽家

トラックリスト

  1. Quarantine Routine – TAMTAM
  2. GOODBYE MY LOVE AND TURN AROUND – ZOMBIE-CHANG
  3. Video – Nohtenkigengo
  4. 秘密の – 佐野千明
  5. Elephant Wave – Isayahh Wuddha
  6. Skin – Sky Mata
  7. 謎 – 中村一義

Luv Hairがお送りするWEEKLY PLAYLIST。

毎週ひとつのテーマに沿って、7日間を彩る7曲を選びます。

7回目となる今回は宅録を特集テーマとして選曲しました。新型ウイルスのパンデミック下でのこの1年半、人に会わず家で過ごす時間が増え、内省的になったり自分や暮らしと深く向き合うようになった人も多いのではないでしょうか。こんな機会だから、自宅でひとりで全てを完結するレコーディングの手法、宅録、すなわち「家」から生まれる音楽に注目してみようという試みです。

TAMTAM『Quarantine Routine』
FUJI ROCK FESTIVALへの出演やカナダツアーの成功など、国内外で活躍し確かな支持を集めるバンド、TAM TAM。アフロ〜レゲエ〜ジャズ〜ダンスミュージックまで、幅広い音楽的バックグラウンドを感じさせる音作りが魅力だ。彼らの2020年にリリースしたアルバム『We are The Sun!』
の宅録バージョンを再録した『We are The Sun! Home Edition』(2021)より、こちらの一曲を。タイトルのとおりコロナ禍で一変した生活を歌った楽曲は、メンバーそれぞれの自宅での録音によるローファイ感と作り込まれた音のバランスがさすが。

ZOMBIE-CHANG『GOODBYE MY LOVE AND TURN AROUND』
東京を代表するDIYガール・モデル・音楽家のメイリンによるソロプロジェクト、ZOMBIE-CHANG。こちらは2016年リリースのセルフタイトル1stアルバムからの一曲。軽いビートにポップな上音、スカスカのボーカルのへなちょこの感じは、これこそ宅録。力が抜けているのになぜか元気が出る、最高のエレクトロ・ポップ・失恋チューンだ。

Nohtenkigengo『Video』
花枝明によるソロプロジェクト、Nohtenkigengoが奏でるのは、不器用で優しく瑞々しいドリーミー・ポップ。ランタンパレードやトクマルシューゴなど、数多のインディー・アーティストたちも賛辞を寄せた2014年のアルバム『Never』に収録の一曲を。2000年代初期のUSインディーの影響も色濃く感じさせながら、ブルースやジャズなども好きなのでは、と思わせる繊細なメロディーとソングライティングが美しい。

佐野千明『秘密の』
ネット上には情報が少なく素性が未知のままながら、アルバム『光年』でものすごい才能を密かに爆発させている佐野千明。ライブ数も少ないようで、活動の様子がほぼ分からない。それも手伝ってか彼女の楽曲には地に足のついた孤高の神秘を感じる。その詩世界に宿る鋭さと優しさのまなざし、ユニークで大胆なメロディラインに心を鷲掴みにされるようだ。

Isayahh Wuddha『Elephant Wave』
メディアに多少の露出はあるものの、こちらも素性が謎な宅録アーティスト、Isayahh Wuddha。昨年リリースのアルバム『Urban Brew』に収録されていた楽曲「Something in Blue」がジャイルス・ピーターソンのラジオでプレイされたことから一躍国内外のインディーシーンで注目を集めることとなった彼の音楽世界は、ひたすらにポップ。ふざけ倒しているのか大真面目なのか分からない、なんなら幻想的ですらあるようなトラックとリリックに、ソウルフルで艶のあるボーカル。大傑作だ。前述のアルバムより、ハッピー・トリップ・ポップの一曲を。

Sky Mata『Skin』
早坂真周によるソロプロジェクト、Sky Mataの1stアルバムからの1曲。90年代後半〜2000年代初頭のニューヨーク・インディーシーンを感じさせる、お茶目なローファイ感。ユニットも含めると3つくらいの名義でものすごいペースで創作・リリースしているのだが、その音源はサブスクにほとんど上がっていないためこちらはSpotifyで聴ける貴重な作品。どの作品も本当に素晴らしいアーティストなので彼のBandcampページへぜひ。

中村一義『謎』
90年代後半から活躍し、宅録の第一人者的印象を抱いている人も少なくないだろうアーティスト、中村一義。97年リリースの1stアルバム『金字塔』はセルフプロデュースかつ、なんとほぼ全ての楽器を自身で演奏しているという。くるりやスーパーカーなどとの同時代性も感じさせつつ彼のユニークな世界感が充満しているタイトルどおりの大傑作。

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