WEEKLY PLAYLIST #11

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LUVHAIR Weekly #11 特集:HIP HOP

Tracklist

  1. 桃源郷 – 5lack
  2. One More Say Boom Bap – OMSB
  3. 大原交差点 – ECD
  4. Dilemma – NENE
  5. Darlin’ feat. JJJ – 仙人掌
  6. Bad Bad – Awich
  7. 生きてるだけで状態異常 – Zoomgals

Luv Hairがお送りするWEEKLY PLAYLIST。

毎週ひとつのテーマに沿って、7日間を彩る7曲を選びます。
早いもので11回目となる今回は、HIP HOPを特集します。HIP HOPを聴くとき、トラックの良さはもちろんのこと、リリックに込められた意思が真っ直ぐに耳へ伝わってくることは、生の力を感じることのように思います。現代の混沌と不安に疲れた私たちの力になるような7曲です。

5lack『桃源郷』
ソロでの活動はもちろん、兄であるPUNPEE、同じく板橋出身のラッパーGAPPERの3人によるユニットPSGの一員としても知られる5lack。通算8枚目となった今年リリースのアルバム『Title』からのこちらは、ロウファイなトラックとラップが渋い一曲。流行とは無縁の独自のスタイルを貫く作風に、孤高のアーティストと言われていることにも納得がいく。

OMSB『One More Say Boom Bap』
ラップグループSIMI LABの一員として2010年から活動、2012年からはソロとしても活躍し、様々なアーティストへの楽曲提供や客演もこなすラッパー、OMSB。こちらは映画『きみの鳥はうたえる』のサウンドトラックとして使用された一曲。函館の街を舞台に描かれたこの映画は、明るい未来も展望もなく、開き直りと痛みを抱えて生きる若者3人の群像劇だ。彼らがクラブでこの曲を聴きながら踊る場面は、まるで彼らのやるせなさに一瞬差し込む青春の光、彼らの儚い若さを象徴するようなシーンだ。

ECD『大原交差点』
闘病生活の末、2018年にこの世を去った伝説的なラッパー、ECD。社会運動家としての顔をもち、正義のために声をあげ続けた彼の、音楽性と人間性に信頼を寄せるアーティストやファンは数知れない。タイトルの大原交差点とは、世田谷区、渋谷区、杉並区の境目に位置する交差点だ。東京の景色を歌った本楽曲からは「今、この場所で、自分のやり方で生きていく」という覚悟と意気込みを感じるような気がする。

NENE『Dilemma』
ラップユニット、ゆるふわギャングの一員であり、ソロとしても活躍する東京・品川出身のラッパーNENEはファッションアイコンとしての人気も高く、新世代を代表するひとりだ。こちらは昨年リリースのソロアルバム『夢太郎』からの一曲。ドスの効いたトラックやリリックが多い中、こちらはUSインディーのような涼しい空気感のトラックにアンニュイに呟くような声が印象的。

仙人掌『Darlin’ feat. JJJ』
東京・新小岩出身のラッパー仙人掌。その2018年のアルバム『BOY MEETS WORLD』から、ファンの多いこちらの一曲を。客演にはトラックメイカー/ラッパーで、KID FRESHINOらとのユニットFla$hBackSの一員としても知られるJJJが参加。スウィートなコーラスのサンプリングと、過去に想いを馳せる甘いリリックに滲む剥き出しの人間味に、代表曲とも言えるほどの人気に納得がいく。

Awich『Bad Bad』
ヒップホップクルーYENTOWNのメンバーであり、女性ラッパーとしてシーンを牽引するAwich。2020年にリリースされたEP『Partition』からの一曲だ。同年にリリースしたアルバム『孔雀』、特に収録曲「洗脳」のヒットも後押しになり、その評価を絶対的なものとした彼女の今後のリリースからも目が離せない。本楽曲のMVには愛娘も出演しており、ありのままの全てで音楽に向き合うアティチュードを感じる。

Zoomgals『生きてるだけで状態異常』
田島ハルコ、valknee、Marukido、なみちえ、ASOBOiSM、あっこゴリラの6人のラッパーによって結成されたZoomgalsの2ndシングル。メンタルヘルスや月経など、人前で話すべきではないとされる物事をここまであっけらかんと語る女性たちがいることは、なんと希望に満ちた嬉しいことだろうか。「生きてるだけですごいでしょ」というメンタリティは自分に優しいだけではなく、他者への寛容でもある。殺伐とした社会を生き抜くためのバイブルのような一曲だ。

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