WEEKLY PLAYLIST #21

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LUVHAIR Weekly #21 特集:失恋

Tracklist

友達じゃがまんできない – 前野健太
おだやかな暮らし – クラムボン
いい人どまりの俺と僕 – すばらしか
さらば恋人 – 前田亘輝
夕暮れ(つらい夜) – ブレッド&バター
Rollin’ Rollin’ – 七尾旅人
ひとり暮らし – 憂歌団

LUVHAIRがお送りするWEEKLY PLAYLIST。
毎週ひとつのテーマに沿って、7日間を彩る7曲を選びます。
今回のテーマは失恋。部屋でひとり気がすむまで泣いたり、友だちに弱音を吐きながら飲んだくれたり。最悪な胸の痛みも、後から振り返ると濃い思い出。そんな傷心に寄り添い背中を押してくれるような、失恋のサウンドトラック7曲をご紹介します。

前野健太『友達じゃがまんできない』
マエケンの愛称で知られるシンガーソングライター / 役者 / エッセイストの前野健太による一曲。「あなたの恋人になりたい」という思いを訥々と歌うメロディと詞には希望が満ちているものの、この思いが叶うことはないだろうと感じさせるどこか切ない空気間が見事だ。

クラムボン『おだやかな暮らし』
一見何もかもうまくいって幸せなように見える日常を、まるで液晶のひびに染み込む水分のようにすこしずつ蝕む冷たい違和感。お互いが好きなだけでは続けることができないと悟りながらも毎日を平和に暮らすふたり。そんな生活を断ち切るための会話の始まりのような、緊張感と哀しみの張り詰めた一曲。

すばらしか『いい人どまりの俺と僕』
東京の日本語ロックンロール・バンド、すばらしかの魅力はメンバーが背景にもつブルースやロックンロール、レゲエなどの影響が垣間見えるソングライティングと演奏だ。秋から冬にかけてのカラっとした空気のような、少しおちゃらけたバックビートのメロディに乗せられた歌詞。この曲を聴くすべての「情けない僕」に寄り添うような一曲。どうしようもなく思いも届かず情けなさだけを噛みしめ、それでもポンと背中を押してくれるような一曲だ。

前田亘輝『さらば恋人』
TUBEのヴォーカル、前田亘輝による堺正章の名曲「さらば恋人」のカバー。筒美京平作品をさまざまなアーティストがカバーした今年3月リリースのコンピレーションアルバム『筒美京平SONG BOOK』に収録の楽曲だ。オリジナルの歌謡曲の温かみはそのままに、筋の通った力強い歌唱で生まれ変わった名曲が郷愁の涙を誘う。

ブレッド&バター『夕暮れ(つらい夜)』
60年代後半より活躍、現代においてもなお愛される名盤を数多く残した兄弟フォーク・デュオ、ブレッド&バターの2ndアルバム『Barbecue』からのこちら。しつこいまでにめそめそした歌詞ながら、柔らかいデュエットと軽快で明るい3拍子のメロディがキュートなフォークソング。

七尾旅人『Rollin’ Rollin’』
前々回の「犬」特集でも登場した七尾旅人による大名曲。これほど聴く場所、シチュエーションによって異なる感情を想起させる楽曲も珍しいのではないだろうか。クラブでは最高のパーティーの〆曲にもなりうるし、「Sorry Darlin’ ゆるしてほしい / 何一つ答えられずに」と歌う詞は、同じ思いをもちながらも結ばれる道を選べない葛藤の吐露にも感じる。

憂歌団『ひとり暮らし』
ブルース・ミュージックと傷心の相性の良さといったらない。1975年のデビュー、忌野清志郎率いるRCサクセションとの共演や名曲に次ぐ名曲で後世に名を残し、様々なアーティストがその楽曲をカバーし続けているジャパニーズ・ブルースの伝説が憂歌団だ。この曲で歌われるのは「あんなに俺を愛した女」であり、決して「俺が愛した女」ではない。「あんな女にゃ未練はねえさ」とどこまでも強がりながらも、その代わりをいつまでも見つけられないとぼやく哀しみの深いこと。これぞブルース、傑作だ。

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